我が家の姉妹の性格は、正反対。
同じ親から生まれ、同じ性なのに、面白いものだ。
私の中では、例えるなら「太陽と月」という響きがしっくりくる。
太陽は長女、月は次女。
真逆の性格を持ちながら、真逆だからこそ、お互い補い合って、喧嘩しながらも、「2人で一つ」の言葉がふさわしい程、仲がいい。
同じスポーツで、共にてっぺんを目指し、姉妹で切磋琢磨し、お互い、真逆の立ち位置で悩み、思いのままを理路整然と発言する長女と、自分を出さない次女と、親にも言えない事も、2人で話し、色んな事と戦い、365日、そのてっぺんの為に全てを注ぎ込んだ。
毎週のように、大会や県の強化練習と、娘達は、身を粉にした。
その中で特に心配したのは次女。
弱音を全く吐く事がなく、思いや気持ちを伝えるのが得意ではなく、常に内に秘める。
その中で、周りの期待や、勝って当たり前の視線に、なんとか応えようと、ますます内に籠り、私にも本音が言えなくなって行った。
その辺りから、試合の度に、過呼吸を引き起こし、止まらなくなっていった。
救急車も何度となく、お世話になった。
病院ももちろん、何度も診察してもらい、原因となる、この競技を一旦、辞める事を勧められた。
何度も私も説得したが、首を縦に振らなかった。
一瞬でも休めば、誰かに奪われる。
しばらくして、やっと私に、「負けたらどうしよう…」と思った途端、発作になると話してくれた。
挑戦者でいる時は、ただそこを目指していれば良かった。
1番になるや否や、状況は一変する。
今度は、追われる立場になる。
どの大会にいっても、注目を集める。
勝っている時はいいが、負ければ、嫌でも自分の耳に周りの声は聞こえてくる。
個人競技は常に自分のとの戦い。団体競技のような仲間はいない。
いい所もたくさんあるが、こういう時、非常な言葉を浴びせる人もいた。
ただ単にその競技が好きなだけの次女は、それに心と体が悲鳴をあげ続けた。
そんな次女を長女は、指導者より誰より、心配し、支えた。
リラックスして試合に臨める様に、声を掛け、
過呼吸になりそうになる次女に誰より早く気づき、介抱し、良くなるまでそばに居てあげた。
大会会場となれば、競技場には、監督、コーチ、選手しか入る事は出来ない。
長女は、次女をおんぶして、私の所に駆けつけてくれたり、救護班の所に連れて行ってくれたり、何とか続けられた理由に長女の存在があったから。
次女の休みたくない…の思いを、長女が「私が守るから」って、最後まで力になった。
今はそれぞれ、違う目的の中で日々過ごしている。
勉強に励む長女。
普通がいい!と、穏やかに過ごす次女。
どちらも、それでいい。
誰かが決めたレールなんか、進む事はない。
これが正しいという道は、誰にも分からない。
幸せの物差しは、自分にしかはかれない。
今のまま、自分の心の声のままに、笑ったり、怒ったり…
ただ、笑って居てくれればいい。
笑顔の娘達をこれからも見続けたい。
その笑顔をこれからもずっと…