実家からの帰省から戻るなり、長女は早速、都内に住む友達の所へ遊びに行った。
電車をいくつか乗り継ぎ、無事に着いたとの連絡に、ホッとする。
そうです。
高校までの長女は、自宅の最寄り駅ですら、場所を把握しておらず、興味の無いものなら、一切視界に入らない性格の持ち主であり、生まれ育ったこの地の土地勘は全くなく生きてきた。
必要な時は、友達がいつも近くにいてくれた。
中学、高校と、友達もその性格を十分に理解していて、どこに行く時も、色々調べるという労力は友達が全て担ってくれ、長女はそれに乗っかるだけという、友達がよくもそれを率先してやってくれるな~と不思議で仕方なかった。
そんな長女が一人で、電車を乗り継いで行くだと???
その素振りは見せないようにしていたが、内心、ハラハラしていた。
スマホで調べられるし、口があるんだから、聞けばいい。
それだけ言って、送り出した。
何度か、自分がどこにいるのかわからないと、LINEがきて、一応、調べたり準備をしていたが、その都度、
「なんか乗れた」
「乗り換えもできた思う」
と、連絡が来て、最終的に無事に友達に再会できた。
結局、心配しているのは私だけ。
何とかなるのだ。
長女よ。
楽しんだもん勝ち。
めいいっぱい、楽しんで帰って来るんだよ。
高校卒業式の時に、「長女と会えなくなるのが寂しい」と号泣していたその友達との再会。
楽しんでるに決まってる。
想像するだけで、幸せな気持ちになる。
笑っている長女が何より好きだから。