翌日、何とか仕事に都合をつけ、ギリギリで迎えに行く。
向こうから友達と歩いてくるのは、長女だった。
いつも以上に笑顔で、嬉しかった。
車に乗り込むなり、
「100%出し切ったから、疲れちゃった。出し切った~」
「明日もあるんじゃなかったけ?」
「うん。一日目の模試に全部注いだから、なんか疲れちゃった。英語、結構行けた感触があるから、何とかなるかも」
今回の模試は、一日目の得意な教科を集中してやるパターンにしたらしく、二日目の教科は、あんまりしなかったそう。
あんなに泣いたのは何だったんだ・・・と思えるくらい、何もなかったように、スッキリしている。
2日目も無事おわり、本人も自己採点は前回よりも60点アップが成功したようで、作戦成功したという事なのかな。
60点アップなんてすごいじゃん~と喜び合うが、アップしてやっと、総合点の8割。
最低でも8割必須だから、ホント、なんて大学なんだ。それで、合格じゃないし、それで、その資格が初めてもらえるんだから、道のりは長い。
「私はまだその土俵にも上がってない」
長女の言うとおりだ。
中学までは、勉強はテスト前にやる程度で、ひたすら武道に打ち込んだ日々。
「好きな事をとことん、追求すればいい。勉強なんか後回しでいいから。好きな事で、夢中になれる力をどんどんつける方がよっぽど、子供達の為になる」
小さい時から、主人と私、一貫してそれを言い続けてきた。
その大好きな武道に決別し、進学校に入学し、今や、その後回しでいいとされる勉強を一番に頑張っている。
答えはない子育ての中で、夫婦で一貫してきた事で、それに迷わず子供達も向かってくれた。
その力があれば、何だって出来る。思い通りにならなかったとしても、どんな場所でも、輝いていられると信じているから。
ホッと出来る束の間の時間。
今度は次女のテストが待っている。
それが終われば、長女の学年最後の校内テスト。
笑っても、泣いても、同じ時間は過ぎていく。
だったら、とにかく笑っていようじゃないか。