今月は、長女の校内で受ける模試、そして学年の最後の期末考査が待っている。その中に、次女の体育祭もあり、それなりにイベントが待っている。
そんな中で、長女が模試の後、模試終わりですぐ迎えてきて欲しいと言ってきた。
「突然、明日の事を前日に言われても、明日はお母さん、休めない仕事を抱えているから、その時間は来れないよ。先週は、台風の接近もあって、次女の学校からの連絡で早退しちゃったから、明日って言われても、明日、やらないと間に合わないんだよ」
「・・・・」
「ごめんね。お母さんも無理な日があるんだよ。待てないなら、自転車で行ってくれないかな~」
「いやだ。迎えに来て欲しい」
その言葉と同時に、泣き出した。
「来て欲しい泣~何で来てくれないの泣?今回だけだから泣~」
わんわん、泣き始め、止まらなくなった。
今回ばかりは納得してもらわなくちゃと思って、
「長女の気持ちに応えたいけど、そうはいかないの。ごめんね。」
何度も声を掛ける。
止まらない。それ以上に泣き出す。
いつもなら、仕事となれば、ちゃんと理解してくれるのに・・・
どうしても譲らない。
とにかく、迎えに来て欲しいの一点張り。
そっか。
校内で受ける子の模試は、今後、自分の進路を決定付ける大事な模試。
面談ではOKサインが出たが、その模試の結果次第では、変わって来る事もあり得る。
だとしたら、不安になるのも理解できた。
不安なのだ。
本当に志望大学を受けていいのか、落とすべきなのか。
まだ、そのすれすれの狭間でいる。
私や主人の味わった事のない窮地にいて、計り知れない不安があるのは当然だ。
私は、どうするべきなのか。
意思を通すべきか。
何とか仕事に折り合いをつけ、それに近い時間に迎えに行くか。
わんわん泣き続ける長女を見ていて、私まで涙が込み上げてきた。
こんなに泣かせて、私は何をしてるんだろう。
私の仕事の事を、何も考えずに自分の欲求だけで発言するだろうか。
そんな勝手な子だろうか。
どれだけ長女が、強い意志で頑張ってきたか。
長女と共に、わんわん泣いた。
「ごめんね。やってあげたくても、お母さんも出来ない時もあるんだよ泣。お母さんだって、辛いんだよ泣~なんとか少し早く返って来るようにするから~だから、お願いだから、もう泣かないで。もう、悲しい顔しないで」
もう、母としてのプライドもなく一緒に泣いた。
何も言わず、長女は勉強をし始めた。
「なるべく早く迎えに行くから」
何も言わない長女。私も一旦、部屋を出る。
リビングに戻ると、察した次女が「お母さん、泣いてるの?」
「うん、長女が泣いているからお母さんまで涙が出ちゃった」
「お母さんには、次女がついてるからね、だから泣かないで」
と、ますます、泣ける言葉を掛けてくる。
夕食の準備が出来、いつも通り、長女に声を欠ける。
長女がやってくる。
恐る恐る顔を見る。
涙目にちょっと笑顔。
「温かいうちに食べてね~」
いつも通りに声を掛ける。
「お母さん・・・」
長女がちっちゃな声で言う。
「お母さん?お母さん?」
今度は私の表情を確かめるように言う。
何度も何度も、私の顔を覗き込む。
いつも通り、夕飯を済ませ、しばらく勉強した後、ベッドへ。
「大丈夫だよ~」と体をしばらくさすった・・・
「うん。お母さん・・・、私、大丈夫かな」
「大丈夫だよ~何にも心配いらないよ~」
「うん・・・お母さん、ありがとう」
かわいくてかわいくて、たまらなくなった。
私こそ、お母さんにしてくれて、ありがとう。
大変な事、山ほどあるけど、それ以上にあなた達に、心を撃ち抜かれるほどの幸せな体験をしてるんだよ。
結局、ありがとうの一言。