子供二人の受験もさることながら、私を悩ませるのは長女の一人暮らしについてだ。
これまでお話ししてきた通り、長女のハマり具合は半端ない。
何かにハマると、余計な物はほぼ視界から消える。
なので、忘れ物が多い。
筆箱なんてかなりの頻度で忘れる。
驚いたのが、その日も見事に筆箱を忘れ、友達に筆記用具を借りた。
しかし、教室移動の授業で、借りた筆記用具を忘れ、更に、別な友達に筆記用具を借りという、私では考えられない事を普通にやってのけた。
「忘れて、また借りちゃった笑」
「え、それ、友達に引かれてるんじゃ・・・」
「また忘れちゃったの~って感じ。友達も。心配しなくても、みんな、沢山もってるから、私が借りたぐらいじゃ、何てことないよ」
「・・・・・」
それ、友達が言うならわかるけど、忘れたあなたがいう事じゃないでしょ。
思い返せば、こんな長女も小学校に入りたての頃は、心配症で、寝る前、朝起きて、登校前と、何度も何度も持ち物チェックして、忘れ物がないか、忘れたらどうしようと、行事の前なんかは、眠れなくなる事もしょっちゅう。
2年生になっても、それは続き、安心するならと、一緒に持ち物チェックに付き合い、気のすむまで、私も声掛けをして、もしもに備えていた。
だけど、ふと、長い目で見た時に、忘れ物をしないという教えより、忘れ物をしても、何とかなる。何とかする方法を考えられる方が有益じゃないかという教えに切り替えた。
心配になるのは、わからない事への恐怖心だ。
人間だもの、忘れ物もするし、怒られたりもする。
忘れたら、どうしたらいいか。先生に何か言われたら、どうしたらいいか。
それさえ、解決できれば、すべてクリアできる。
方法を考える。
忘れても、別に先生に殺されるわけじゃなし、だけど先生に迷惑をかける事にもなるから、ちゃんと「ごめんなさい」って言うこと。そうすれば、先生だって理解してくれるから。何も怖い事はないんだよ。
繰り返し繰り返し話し、それに対して、どんどん柔軟になっていった。
もちろん、忘れ物をしない方がいいが、もし忘れたら・・・の先を考えられるようになれば、それは忘れ物以外も通用する。
よくいえば想像力、逆に悪知恵ともいえるかもしれないが、生きていくには大事な事だよね。
成功体験はもちろん必要だけど、失敗体験も同様に大事な気がする。
だよね、だよね。
その教えの延長戦にいるのが、長女だよね。次女だって、そう。
そんな長女が一番乗りで、来年には一人暮らし???
生きてれば何とでもなる。くらいの気持ちでいるので、何が待ち受けているのか、本当に恐ろしい。
スマホだって失くしたって、お財布失くしたって、無事に生きてる方が大事だよね。とか、極論で考えているだろう。
人間だもの、完璧じゃないし、失くした事を今更いっても、解決にはならないよね・・・正論で返してくるのが目に見える。
そう、私が繰り返し言ってきた言葉が、私に返って来る・・・
合格の先にあるもの。
一瞬の安心の先には、
更に、スリルのある毎日が待っている。