日曜日は久々に落ち込んだ。
そう。忘れた私が悪い。
いつものように、長女に「15分後に起こしてちょうだい」と頼まれた。
私は、いつもならスマホでタイマー設定するものの、電話中だった為、
「わかった」と引き受け、5分前までは意識していたが、会話が盛り上がり、
気が付けば、10分オーバー!!!
急いで起こしに行こうとする私に向かって、長女が泣きながら、向かってきた。
「なんで起こしてくれなかったの!!!」
「ごめんね。すっかり忘れちゃった」
泣くのと怒りで、すでにお手上げ状態にまでなっている。
何度も謝るが、手が付けられなく、部屋中のものを投げつけ、
「私の時間を返してよ~
朝早く起きて、時間通りに勉強してきたのに、全部台無し!!!」
謝り続けたものの、怒りが収まらない長女は泣き続ける。
どんなに声を掛けようが、掛ければ掛けるほど、ひどくなった。
心が折れた。
ちゃんと起こしていれば。
会話に夢中になったばっかりに。
たった10分と思うのは私で、長女にしたらその10分は、運命をかける10分。
長女が求める事に100%、応えられる自信を全て失った。
私はそのまま、泣いている長女、それを黙って聞きながら勉強する次女に黙って、
家を出た。
泣いている姿を見られたくなかった。
車にそのまま乗りこみ、近くのショッピングセンターの駐車場に車を停め、ひたすら泣いた。
2時間は経過した。
我に返る。
あ、もうすぐ次女の歯医者の予約時間・・・
まだ、戻りたくなかった。
だけど、来るはずと準備をしている次女を思うと、戻る選択しかなかった。
母、失格だなと思いながら、帰宅した。
「待ってたよ~」
何もなかったように振る舞う次女。
全て見ているのに。
次女にまでこんな思いさせて・・・
ぐっと、涙をこらえた。
まだ、長女の部屋を開ける勇気はなかった。
そのまま、次女を歯医者へ。
車中、長女には触れる事のない、何でもない話題を次女は私に話しかけてくる。
救われた。
救われた気持ちで、気持ちが少し前向きになった。
その勢いで、帰宅した私は、子供部屋の戸をそっと開けた。
「・・・お母さん」
安堵した顏の長女だった。
長女なりに我に返り、いつも通りの私を見てホッとしてる。
数時間前の出来事が嘘のように、何度も何度も「お母さん、お母さん」と呼ぶ。
「何か壊れたりしてない?大丈夫?」
冗談交じりに言う。
「下敷きがね、割れちゃった。それくらい」
「それならよかった。どっか、破壊されてるかと思っちゃったよ」
「下敷きだけ」
高校生になっても、子供は子供で、手を変え品を変え、親の愛情を確かめてくる。
その夜の長女は、「お母さん、今日は寝るまでそばにいてちょうだい」と、甘えてきた。
「今日だけだよ~」
と、体をさすりながら、長女が寝るまでそばにいた。
この時間も、来年4月には出来なくなるんだ…と思ったら、涙が止まらなくて。
気付かれないように体をさすり、
「何も心配ないよ。大丈夫。進むべき道にちゃんと進んでくから。何も心配しなくていいからね」
「うん」
そのまま、眠りについた。
リビングに戻ると、待っていた次女が私に声を掛ける。
「お母さん、次からは時間に起こしてあげるの、引き受けちゃだめだよ」
「・・・・」
涙が一気に引っ込んだ。
いつも試される。
それに応えられるか。