真っ直ぐ生きるって

多感な中高生の娘を持つワーキングママです😊 まずは続ける事から初めてみよう 

この瞬間

終わった。

最終学年として、出せる力を出し切って体育祭は終わった。

 

家では、勉強しかしていない長女が、次々に競技をこなしながらも、下級生を引っ張り、最後の最後まで笑顔で頑張っている姿。家で見せる事のないこの姿は、きっと、普段の学校での長女の姿であり、子供の世界の中でのその一面を、目にすることが出来た事は非常に良かった。

家で見る子供はほんの一面なのだ。

学校で出し切り、家に帰って私の目に映る長女はただの一面でしかない。

子供の持っているものはもっと多面なはずだ。

出来ないと決めるのは、親じゃない。

子供自身。

自分で自分の限界を知る事は、生きていく上で必要なスキル。自分の経験でしか身につけられない。

 

そんな中、体育祭の実行委員長の挨拶が胸に響く。

 

実行委員長の話をもらった時、そして、なってからも、自分を苦しめたもの。

それは、自分が外部生だったこと。

高校から入学の子を外部生、中学からの子は内部生と呼ぶのだが、

実行委員長は、その重責に悩み、途中辞退する事を何度も考えたと。

外部生である自分が委員長になる事で、内部生で作り上げてきたこの体育祭の大事な何かを、壊してしまうんじゃないかという、壊してしまう、その恐怖心で自分が押しつぶされそうだった事。

それを支えたのが、内部生であり、外部生、先生達だった。

終わった今、その気持ちはなく、やって良かった。最高の瞬間だ!と。

 

この子が抱えていたものが、どれほどだったのか。

伝統を守り切れるのか。

内部生がやるべきではないのか。

じぶんが引き受けていいのか。

壊してしまったらどうしよう。

次々に不安がこの子を襲ったであろう。

だが、今はその恐怖を取っ払い、実行委員長としての姿は、自信に満ち溢れていて、それを超えた彼の姿に、涙が止まらなくなった。

場内が拍手でいっぱいになった。

 

悩みぬいて、行きついた先が今、ここにある。

ここにいるこの子達それぞれに、ドラマがあるのだろう。

だとすれば、この瞬間はどれほどの価値があるのだろう。

そう思うと、その全て愛おしかった。

このまま時が止まって欲しかった。

 

これから彼らを待ち受けるものが、何なのか。

その時もこの子達みんなが笑顔でいられますように。