娘達には、何にでもチャレンジして、失敗も成功もいろんな感情を味わってほしい。
その中でも、武道の道は子供達を悩ませ、それを追求するために努力し、姉妹で喧嘩したり、相談しあってり、幅広く成長させてくれた。
長女は、なかなか勝てない期間を経験し、1番を目指す為の努力や苦労を学び、
次女は、早いうちから1番になり、それを維持する努力や苦労を学んだ。
1番の子には1番の、1番になれなかった子はなれなかった子の、どちらも努力と苦労がある。
こんな事があった。次女は、どの大会でも結果を残し、毎回のようにメダルを持ち帰り、すこし努力を怠っていた。それでも、勝てていたから。
何回目かの全国大会出場が決まり、練習に気持ちが入っていないようで、みんなが応援してくれる中で、私は我慢の限界だった。
全国大会出場の意味わかる?
県の代表なんだよ。
みんなこの全国大会に出たくて、一年、必死にがんばってるの、わかるよね。
出るあなたは、出たかったみんなの思いも背負ってでなくちゃいけないよ。
全力でそこに向かえないから、辞退してちょうだい。
お母さん、このままで全国大会に出るなんて、みんなに申し訳ないし、恥ずかしい。
よく考えなさい。
中途半端な気持ちで臨むわけにはいかない。
みんなの努力も、悔し涙もこれまでたくさん見てきた。
個人競技は常に自分との闘い。時間内に自分で考え、相手の動きを読みながら、攻撃する。一瞬でも隙があれば、どんなに強いと言われる子でも、一発勝負だから負ける事もある。その一瞬で、1年分の努力はまた持ち越される。
次女はしばらく何も言わなかった。
練習もいつも通り通っていたが、ある時、ポツリと、
出たい。やっぱり、出たい。って。
そう。わかった…と返した。
次女なりに、相当のプレッシャーを抱えていたのはわかっていた。
道場一の成績や記録を更新し、指導者や道場の子供達や父兄、学校でも何度か紹介され、みんなが応援してくれていた。
その期待をこの子一人で背負うわけだから。
辞退してもいい。
そのプレッシャーに負けているようでは、あの舞台に立っても、本人がただ恥をかくだけ。それを超えた子達が競い合う場だから。
だから、どっちを選択しても、いいと思った。
この子達がやりたい!と言ったことから通い始めた。
武道といえど、格闘技のイメージが抜けず、女の子だった事もあり、何かあってはと、始めは反対した。当たり所が悪ければ、この子は当たり前の人生を送れないのかもしれない。色んな事が頭をよぎり、出来ればほかの競技にと願った。何度も何度も動画を見せ、それでもやりたい?繰り返した。
やりたいの一点張り。最終手段として、
やりたいというのなら、途中でもう無理、辞めたいというのはなし。
やるなら黒帯を取るまで、辞めないという覚悟をもって出来るならいいよ。
と。それなら、やらないと言うだろうと思っていったが、あっさり、それでもやりたいといった。
その言葉で、私も覚悟を決めた。そこまでの思いがあるのなら、私がもう何も言う事はない。この子達の思いの為に何があっても支えようと決めた。
真剣に何かに取り組む事からしか、学べないと思う。
結果が出ても、出なくても。
その為に努力し、考え、続ける。
今後、何かしようとした時にこの子達の大きな原動力を育てるはずだから。
中途半端でやったことは、中途半端で終わる。
やりたい事を追求させる。
親はサポートするだけ。
我が家のスタイルは変わらない。